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第31回  紅茶と文学  報告  

課題本「銀河鉄道の夜」

2021/10/30@銀座

 

-ご挨拶-

 今回は11名の方にお集まり頂き、初参加の方が4名でした。

今回の紅茶

    1. 紅茶と文学ブレンド(ニルギリBOP+ディンブラBOP+α)
    2. アッサム SFTGFOP
    3. アールグレイ KUSUMI TEA(フランス)

■銀座初進出! 

今回は慣れ親しんだ吉祥寺から飛び出し、銀座のクラブ街(座る方の)からほど近い「銀座CHAIRS」さんで開催しました。

ブックマンションより広く、キッチンも付いているために、超絶久しぶりに温かい紅茶を提供することができました。秋冬はやはりホットが美味しい。皆さんからもご好評。

定員もいつもの8名から12名まで増やし、にぎやかな会となりました。

 

ザギンの会場近く&会場(素敵!)

■課題本「銀河鉄道の夜」

今回の課題本は言わずと知れた宮沢賢治の代表作「銀河鉄道の夜」

オンラインで開催した「よだかの星」以来の宮沢賢治作品となりました。

この作品に出会うきっかけは様々だと思いますが、アニメ映画で初めて知ったという方も多いと思います。
私もその中のひとりで、小さい頃に親に観せられたのですが「怖い、暗い、ジョバンニかわいそう」という様な印象を持った記憶があります。アニメなんですけど、全体的にトーンが黒、青。

そしてこの映画、登場人物が擬人化された「猫」なので、これで銀河鉄道初体験をしてしまうと、完全に猫の物語になってしまうんですよね。小説を読みながらもジョバンニ、カムパネルラ等が「人である」イメージが全く出来ないのです。舞台が日本ではなく欧州をイメージされている部分も影響があるのかな、とは思いますが。

登場人物が猫でも不思議とすんなり読めてしまうのがこの作品持つ不思議な力でもありますね。

後半では内容に触れますので、未読の方はご注意ください。

 

■永遠の未完成作品?

 

主催者ということで一応毎回課題本を熟読&分析をするのですが(分析出来ないことも・・)、今回改めて気付いた事がありました。それは登場人物の関係性の中に賢治の最も伝えたいことが詰まっているんだな、という事です。
ファンも非常に多く、多様な読まれ方をしている作品ではありますが、注意深く読んだ結果自分なりにこの本の解釈が出来た気がします。他方今まで何となくしか読んでいなかったのだな、という事実にも気付かされました。
よだかの星にも通ずるテーマですね。

ページ抜けがあったり、何度も改稿されていたりで永遠の未完成作品とも言われているので、読者が抱くそれぞれの想いが宇宙的無限性の中に広がり、そこに完成形があるのだろうか、とロマンチックに思ってしまいました。
今回用意した紅茶&読書会の様子

■銀河鉄道の夜を読んでの感想

参加者の方に銀河鉄道の夜を読んで、また読書会を通して思ったことを書いて頂きました。
非常に感覚的、映像的なイメージで捉えられる作品なだけに、皆さんそれぞれの感想を抱いたようです。
最後に集まった本たちを撮影。

■開催後記

今回初読の方は1名だけでした。殆どの方が映画には触れていて、もう猫のジョバンニしか想像出来ない人達の間で会話も盛り上がりました。

映画の原作は漫画ですが、作者は「ますむらひろし」と言う方です。その原作を持ってきて頂いた方もいて、皆さん興味津々で読んでいました。

ますむらひろしさんも知る人ぞ知るタイプの漫画家ですが、賢治並みの想像力をお持ちのいい意味でヤバイ方なので、是非漫画を読んでいただきたい。代表作は「アタゴオル」シリーズです。

久しぶりに暖かい紅茶を出せる会場で開催出来てよかったなぁ。広かったし開放感がありました。
皆さんやはり都心の方が行きやすいとのことなので、今後も会場探しの度は続きそう。