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第39回  紅茶と文学  報告  

課題本「レイモンド・カーヴァー傑作選

2023/7/15@吉祥寺

 

-ご挨拶-

 今回は10名での開催、初参加の方が6名でした。

今回の紅茶

    1. 煮出しミルクティー ニルギリ+牛乳
    2. 水出し紅茶 チャムラジFOP
 

■課題本「レイモンド・カーヴァー傑作選」

主催者サトウは村上春樹が好きで長編は全て、短編もほぼ読んでいます。
しかし彼が影響を受けたアメリカ人作家はあまりカバーできておらず、せいぜいフィッツジェラルド、カポーティ、サリンジャーくらい。自分も読みたいし評判もいいので丁度いいか、という事で今回課題本に選びました。

ちなみにカーヴァーは日本では村上春樹しか翻訳していないとの事。
と言うかそもそも村上氏自身が見つけてきて、翻訳させてくれと頼んだとか。彼が言わなかったらほとんどの人はこの作家を知らなかったかもしれません。

■村上作品への影響

読んでみて思ったのが村上春樹は影響を受けまくり、というか彼の作中でほぼそのまま使っている部分、ファクターとして使っている部分がありました。いくつか抜粋をすると

  •  あなたお医者さま→ねじまき鳥と火曜日の女たちの「電話のシーン」
  •  僕が電話をかけている場所→ノルウェイの森、スプートニクの恋人などで「電話をどこからかけているか」
  • レモネード→街と、その不確かな壁の「第二部・子易さん家族に関する事」

レモネードの設定は多少違いますが、心理描写などはかなり似ているなと思いました。

いやーカーヴァーを読んでいる人はニヤニヤしながらこれらの作品も読んでたんでしょうね。うーむ。。

■読書会を終えての感想

今回は皆さんに好きな作品ベストスリーを書いてもらいました。
「大聖堂」「足もとに流れる深い川」「ささやかだけど、役に立つこと」の3つに票が集まったようです。
最後に集まった本を撮影。

■開催後記

読書会でも当然村上春樹への影響度に関して話題になりました。
オマージュというパクリというか、結構そのままだなと個人的にも思いましたが、それを隠しもせず堂々としているのが村上氏の良いところだと思います。
パクりやがってインチキ野郎!などとは思わせないところが不思議ですね。村上春樹みたいな小説を書きたかったら彼が読んできた文学を読んだ方がいいのかもしれません。

 
読書会では原文で読んできてくれた方もいて、やはり翻訳されると春樹節がどうしても入る、ここはなんでこう訳したんだろう、と思ったとの事でした。カーヴァーの文章はシンプルで読みやすい英語で書かれているとの事なので、興味ある方はぜひ読んでみてはいかがでしょう。