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第22回  紅茶と文学  報告  

課題本 「カフカ短編集」

 フランツ・カフカ 著

2020/7/19@吉祥寺

1913-21年 発行

 

■その門を通る人は誰一人いなかった

Erzählungen und kurze Prosa von Franz Kafka

不条理文学の代名詞的存在であるフランツ・カフカ。

数多くの短編を残しましたが、短い文章の中で読み手にここまで強いインパクトを与える作家もいないのではないでしょうか。

掟の門を始めて読んだ時、皆さんがどう思われたか気になります。

以下内容に触れる箇所もございますのでご了承ください。  

 
なぜか落ち着くの岩波文庫のカバー

-ご挨拶-

 今回は7名の方にお集まり頂き、初参加の方が5名でした。



今回の紅茶


    1. 水出しアイスティー (ニルギリ) FOP


      すっきりしてて美味しい!とご好評でした!紅茶飲めない人でも飲めたそうです。 
      そうなんです、美味しいんです。

 

■現代でも存在感のあるカフカ


1月に開催して以来半年振りのリアル読書会となりました。

ちゃんと人が来てくれるのだろうか、と言う心配を抱きながら当日を迎えましたが、7名の方にお集まりいただきました。

カフカの首像?@プラハ生家にて

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カフカと言えば朝起きたら芋虫になっていたと言う小説、「変身」が有名であり、読んだ事がある方も多いと思います。

しかしその他の長編、「城」や「審判」を手の取る方と言うのはそこまで多くないのかなと言う印象です。難解と言う評判が先に立ち、私も々手が出ない状態が続いています。

しかしこのカフカと言う名前、現代に日本においても様々なシーンで使われている気がします。
村上春樹の「海辺のカフカ」やシシド・カフカなんていう人もいますよね。語感や作品にファッション的なカッコよさを感じられるからでしょうか。

 

主催者は2019年の4月にプラハに行った際、プラハ城内にあったカフカの家や、生家、博物館などを訪れましたが、日本人客も多いようで、日本語のパンフレットも置いてありました。

カフカ博物館では日本人だと伝えたら、受付のおばさんが周りをキョロキョロ見だして、誰もいないのを確認すると「あんたこっそり入んなさい!」(と言っていたのだと思う)と何故か無料で入れてもらいました。村上春樹ファンで日本びいきののおばさんだったのかなぁ。

■掟の門の破壊力

 

この短編集は「掟の門」で始まるのですが、これを読んだ時の衝撃は今でも覚えています。たった4ページしかない短編ですが、人はどうするべきなのか、と言うメッセージを感じましたし、迷いがある時分に読んだので心に突き刺さった感覚がありました。
後は当たり前ですが話が普通に面白い(エンタメ的に)。そこがすごいのですが。

「橋」は掟の門以上に短いのですが、これもまた仕掛けがあって面白い、かつ深い。

メタファーや、物の擬人化、登場人物の心理、と言った点で様々な解釈が出来る話が多いので、読書会で取り上げるには丁度いい感じでした。

カフカの家@プラハ城 人多すぎ・・・

カフカ博物館

■読書会を終えての感想など

・本当に久しぶりの読書会、とても楽しめました。
カフカと言うよりコロナの話で盛り上がってしまいましたが、これもカフカ的だと思います。
カフカは訳によって印象が特に変わりやすい作家だなと思いました。

・制度instituteに執着する作家としてのカフカ、と言う観点から「流刑地にて」等を論じたが、
久しぶりの対面での読書会で大変楽しめました。

・久しぶりのリアル読書会でした。カフカは初読でしたが、死生観、哲学館が強く、解釈の差が面白かった。
変身、審判等も読んでみたいと思った。


・半分は本の話、半分は本に関連した諸所の話、久々のリアル読書会楽しかったです。

・訳で雰囲気が違うという事が分かって有益な時間でした。「城」を次に読む予定ですが、その前に違う訳に手を付けようか迷っている。

・カフカの話は考えても言葉にしにくい部分があったが、色々な意見を聞いてしっくり来た。

課題本を撮影。

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■開催後記

今回は皆さん本当に久しぶりのリアルな読書会だったようで、本の話ができて楽しかったとのご意見が多かったです。今まで使っていた池袋のスペースが無期限で使用禁止になってしまったので、今度も会議室で行う事になりそうです。
そして、毎回レポートが遅くなってしまい申し訳ありません。。。

あまりにも早い第二波の影響で次回開催も危ぶまれますが、ここは空気を読まずにやって行こうかと思っています。

課題本のリクエストも受け付けていますので、遠慮なくご連絡下さい!