
第44回 紅茶と文学 報告
サミュエル・ベケット著
2024/6/29@渋谷
今回は9名での開催、初参加の方が2名でした。
今回の紅茶
- サバラガムワSGTGFOP 水出し
- 長崎県東彼杵産玉露水出し
■不条理劇の代表作
前回の課題本「幽霊たち」の解説にこの本が登場していた。興味を惹かれ読んでみたら自分の理解を超えた内容だったので課題本に採用。こういった本は意見が分かれるから語ると面白いんですよね。映画「ドライブ・マイ・カー」でも劇中劇で使用されていたし、ここまで絶賛されるのは無いか理由があるはず、それを読書会を通じて掴めればという気持ちもありました。
■参加者が最近読んだ本や映画
・カレー移民の謎~日本を制覇するインネパ
・盆栽/木々の私生活
・百年の孤独(を読みたい)
・華氏451度
・悪霊(ドストエフスキー)
・謎ときサリンジャー「自殺」したのは誰なのか
・五重の塔(幸田露伴)
・ルックバック(アニメ映画)
・女帝小池百合子
■読書会前・読書会後の感想
この本は途中で読むのを止めたくなる人が多いのでは?と思ったので聞いてみたところ
・途中で本を投げ捨てようと思った=3名
・途中で本を投げ捨てようと思った=3名
・いや投げ捨てようとは思わなかった=6名
という結果でした。実は主催者も一瞬投げ捨てようと思った口です。
以下皆さんの感想となります。
最後に集まった本を撮影。ベケット氏の顔も。
■開催後記
不条理劇の最高傑作という話は聞いていたのだが、事前情報はほぼ無しで読み始める。すると訳の分からないオヤジ二人が延々と同じような話を繰り返し何だこれは?と正直思った。しかし名作と聞いていたので何かあるはず、と読み進めると完全に理解しないでも徐々にドライブがかかる、まさにリーダーズハイの様な感覚に陥った。
この感覚を共有したくて開催したのがだれ一人同じような感想を持った人はいなかった。これぞ不条理の最高傑作たる所以だと思った。しかもそもそも戯曲だし劇を観てないで語るなという話である。
意外に投げ捨て派が少なかったのだが、名作(と言われているか)から最後まで読み切ろうという声は多かった。これは世に言う「誰が書いてるか」論でもあると思う。同じ内容としても誰が書いてるかで評価が決まるという、人間が本質を見抜けないと言う側面の表れでありまさに不条理である。これから何でも不条理という言葉で解決出来そうな気がして来た!じゃまた次回!